力覚提示機能を備えたリアクティブモーションキャプチャシステムの開発

摘要

実世界と同様の人間の行動を，コンピュータ上の仮想環境で実現することができるVR（Virtual Reality）技術は，様々な分野におけるシミュレーションや評価を行うために非常に有効な手段である．近年では，等身大の仮想環境においてユーザと自然にインタラクションできるバーチャルヒューマンの実現も盛んに試みられている．これらの研究では，バーチャルヒューマンの動作生成のために，運動学やキーフレーム補間等の手法が用いられてきた。 運動学を利用する手法は逆運動学や動力学等の数式モデルに基づいて，バーチャルヒューマンの姿勢や動きをシミュレーションする．この手法を用いることで，既にモデル化されている動作を生成することや，動作にある程度のバリエーションを持たせることも可能である．キーフレーム補間は人間の一連の動作のうち，重要な姿勢をスポット的にキーフレームとしてあらかじめ作成しておき，キーフレーム間の動きをコンユータにより補間計算する方法である．これは，従来のアニメーションの分野で用いられているセル画の手法をコンピュータにより実現したものである．簡単な動作の場合は比較的自然な動作の合成ができるが，複雑な動作を再現する場合はスポットを作るため熟練された技術が要求される．