Liイオン電池の劣化の解消と急速充電を実現：単セル構成に向けた電池管理チップセットを開発

摘要

携帯電話機の高性能化や高機能化とともに，搭載するLiイオン電池の容量が急激に増えている．かつてのフューチャーフォンでは約800mAhの電池を載せていたが，最近のスマートフォンでは2000mAhが当たり前で，3000mAhを超える電池を搭載する機種さえある．容量が増えれば，それだけ充電時間が長くなる．しかし，多くのユーザーは，そんなに長い時間は待てない．この解決法としては，急速充電がある．充電電圧を高くしたり，充電電流を多くしたりして，短い時間で充電する．ところが，急速充電には電池を早く劣化させてしまうというデメリットがある．一般に2次電池は，充放電サイクルを重ねるにしたがって容量が減少する．急速充電を実行すると，この減少スピードが速くなる．「まだ購入して間もないのに，電池がほとんど持たない」という事態を招くことになる．