低消費電力CMOS 集積回路システムとバイオ発電素子を用いた電力自立発電センシング一体型集積血糖センサによる糖尿病医療・予防革新:ヘルスケアIoT 開発国プロ成果の社会実装に向けて

摘要

糖尿病医療ならびに予防の革新に向けた，低消費電力CMOS 集積回路システムとバイオ発電素子を用いた電力自立発電センシング一体型集積血糖センサの開発について述べる．発電センシング一体型集積センサ技術を開発し，生活習慣病の中でも近年患者数が増大している糖尿病の予防に向けて，非侵襲・高時間分解能血糖計測の実現を目指す．本稿で提案するバイオセンサは，バイオ燃料電池を電源として利用するだけでなく，発電センサのセンシングフロントエンドとして機能させる．この技術を用いることでメガネ型端末不要の血糖モニタリングコンタクトレンズが実現可能となる．第１次プロトタイプ・センサにおいて，発電センシング一体型集積センサ技術の有効性を確認した．第2 次プロトタイプ・センサはデジタル回路主体ゲートリーク型発振器、電源電圧不感型時間領域温度センサ，そして誘導結合送信機などで構成され，低電源電圧で動作する．65-nm CMOS プロセスで試作したチップは電源電圧0.19 V，消費電力53 μW で非同期型受信機との無線通信に成功した．また，測定結果からセンサがバイオ燃料電池を用いて電力自立動作が可能なことを確認した．