アナログ-ディジタル変換の技術：重量計の設計解析

摘要

DCや10Hz程度以下の計測に用いるA-Dコンパータ（以降，ADC）は，一般約にアプリケーションに相応した分解能が必要です．ここで言う「分解能」はADCのディジタル出力データの（形式的な）けた数ではありません．ADC の内部で発生する雑音を考慮した実質的な「分解能」です．例えば今日，公称24ビットのシグマ·デルタ型ADCが容易に入手できますが，その実質的な分解能を意味する「ノイズ·フリー·コード分解能」や「有効分解能」は一般的に24ビット以下が普通です．今回はディジタル重量計の設計を例にとり，必要な実質的な分解能を具体的に算出します．また，精度を高めるための技術も合わせてご紹介します．