水車発電機固定子巻線（ポリエステルレジンコイル）の総合絶縁劣化診断システム

摘要

回転機巻線の寿命を支配する絶縁劣化は，適用した絶縁材料や製造方法に密接に関係している。 当社における絶縁方式の変遷を第1表に示す。 技術的な特長として，それまての天然樹脂系に代わって1960年代初めより合成レジンを採用し，絶縁特性が飛躍的に向上した点が挙げられる。しかし，これら初期のポリエステルレジン／はがしマイカ絶縁方式を適用した回転機の多くが，既に使用30年以上を経過し，現在ては更新時期を迎えている。 更新にあたっては，精度の高い寿命予測が求められている。 この要求に応えるため，特にポリエステルレジンコイルに対象を絞って技術的課題の克服を行い，従来の非破壊電気試験に加えて分析手法を取り入れた新たな総合絶縁劣化診断システムを開発したので紹介する。