NICT 5面／6面共用大型電波暗室～5面電波暗室としての特性

摘要

独立行政法人情報通信研究機構（NICT）では，V／UHF帯のEMC試験や電波関連測定に対応した電波暗室を新たに建築したので，その特長と性能について報告する．この電波暗室は，床面の電波吸収体の敷設／収納を全自動で行える装置を導入したことで，5面電波暗室（SAC）と6面電波暗室（FAR）とを約45分で切り替えることが可能であり，金属大地床面を必要とする放射妨害波測定（EMI測定）や，自由空間を必要とするアンテナ特性等の測定の両方に用いることが可能である．本報告では，とくに5面電波暗室の場合に関し，CISPR規格で定められた30MHz～1GHzにおけるアンテナ校正用サイト（CALTS）や，適合性試験サイトを評価する新しい測定法である参照サイト法（RSM）の基準となるサイト（REFTS）のために必要な性能を有していることを示し，従来のオープンサイト（OATS）に代わる基準サイトとするために必要な付加的条件について考察する．