回路合成理論に基づく並列共振回路で表現される負荷に対する2周波整合回路

摘要

携帯端末の使用周波数帯の多周波数化に伴い,異なる2つの周波数帯で利用可能なデュアルモード端末が求められている。 本報告では,パッチアンテナの入力インピーダンスのように,等価的に並列共振回路で表現される負荷に対して2周波で整合を図る2周波整合回路を提案する。 基本的な考え方は,並列CR回路で表現される負荷に対する低域通過形整合回路に, 2回の周波数変換を施して2周波整合回路を得るというものである。 この過程から,整合を図る2つの周波数帯域および負荷の共振周波数の間に満足すべき周波数条件式が導かれ,さらに整合回路の素子値は,これら周波数,負荷のQ値および整合回路の段数を与えることで一義的に求められる。