水島コンビナートにおけるRING III事業の展開＜コンデンセート処理によるコンビナート原料の多様化と最適供給を目指して＞

摘要

水島コンビナートにおいては、2000～2002年のRING I事業（石油精製高度統合運営技術開発）、2003～2005年のRING II事業（石油精製環境低負荷高度統合技術開発）を通して、コンビナート国際競争力強化のための技術開発を行い所定の成果を挙げてきた。しかしながら、中東·インドなどにおける相次ぐ大型石油·石油化学プラントの建設に伴い、石油及び石油化学業界を取り巻く国際競争は激化しており、原料のコストダウン等による更なる競争力強化対策は必須である。このような状況に鑑み、石油精製会社である（株）ジャパンエナジー、新日本石油精製（株）と、隣接する石油化学会社である三菱化学（株）、旭化成ケミカルズ（株）、山陽石油化学（株）の計5社（第1図）は、従来の技術·設備や製品融通理念にとらわれず、さらなるコンビナート国際競争力強化と限りある石油資源の有効活用のため、お互いの原料調達の部分でも高度に融合されたプロセス·運営形態を構築し、コンビナート原料の多様化·最適供給を実現するための技術開発、具体的には天然ガスコンデンセート油（詳細後述）処理による石油·石化原料の最適供給プロセス技術の開発を2006 ～2009年の4年間の計画で実施中である。なお、本技術開発は経済産業省の支援を受けて実施する石油コンビナート高度統合運営技術研究組合（RING）の技術開発事業の一環である。