コンクリート新時代「コンクリート文化と新しい国づくり」

摘要

日本はこれまで，明治以来，経済的な豊かさを求めて活動してきたと言っても過言ではない。東日本大震災から分かったことば，豊かさにも次の2種類が存在するということである。これまでの日本が求めてきた豊かさは，「①余裕のない豊かさ」だったように思う。災害が発生すれば，多くの人が悲しまなければならないような豊かさは，やはり余裕のない豊かさと言わざるを得ない。豊かさを追求することは決して方向性を誤っているとは思わないが，余裕のない豊かさを目標にしてきたわけでもなかろう。