アルミニウム合金において,合金の機械的強度を増加させるのに最も重要な手法の一つとして析出強化法が挙げられる。しかしながら,結晶粒界近傍の析出形態は粒内側と比べて大きく異なる。すなわち,無析出帯(Precipitate free zones (PFZs))や粒界析出物が結晶粒界にて形成する。特にAl-Zn-Mg合金はPFZ幅が他の時効熱処理型アルミニウム合金のものよりも大きいという特徴がある。PFZはこれら合金の機械的性質に大きく影響すると考えられているため,PFZの特性に関する研究は不可欠である。著者らの過去の研究においても,機械的性質を組織パラメータと対応させることで,PFZが合金の破壊形態に影響を及ばすことを明らかにしている。
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