水系懸濁液を用いた単層および複層アルミナ質ろ過材のろ過性能評価

摘要

一般に「ろ過」とは多孔質のろ過材によって液体のみを通過させ固体粒子は通過させない分離操作のことで，加圧方法により定圧ろ過と定速ろ過に大別される1），2）。溶融アルミニウムの清浄化を目的に行われるろ過は，次工程の鋳造工程で一定流量を必要とするため，ろ過槽の溶融アルミニウム入口側の圧力を変化させる定速ろ過で行われている。一般に高温で使用される溶融金属用ろ過材には高い介在物ろ過性能，高い生産性，熱的および化学的安定性，低コストの特性を具備する必要がある3）。これらの要求項目は相反する特性が多く，それら特性の両立が課題となっている。