6061アルミニウム合金板の局所溶体化処理による深絞り性向上

摘要

加熱型からの熱伝達を利用して6061-T6板を局所的に病体化する熱処理プロセスを検討し，周辺軟化ブランクの作成を試みた。 またその深絞り成形性および成形品の時効硬化性を検言し，以下を明らかにした。（1）加熱型との接触部に対応してブランクの周辺部分が溶体化されて軟化した。 ただし人工時効後も初期硬さに回複しない熱影響部が接触端近傍に存在した。 （2）局所溶体化ブランクの限界絞り比は2.58に達し，均質なT6板と比べて0.52，焼なまし板や溶体化板と比べても0.45限界絞り比が向上した。 （3）成形により軟化部も加工硬化するが，フランジ部での卜分な縮み変形量が得られないブランクで成形した場合には側壁部や残フランジ部に軟質部が残存した。 （4）成形後の人工時効処理によりブランク周辺の軟化部もT6加工材以上に硬度が塵二昇する。 （5）軟質の残フランジ部はT6枚より曲げ性が向上する。