外輪歯車の歯たけ修正時における増速用磁気式遊星·差動歯車装置の特性

摘要

磁気歯車は機械式の歯車では得ることのできない種々の利点を有する．例えば平歯車の場合は，ピニオンとギアの心問距離を変えることで,内接かみ合いだけでなく外接かみ合いにもできる。 かさ歯車の場合,軸の交差角を変えることで，正転·逆転が可能となる．またウオーム歯車の場合は，ウオームホイールのトーラス内面にウオームを包摂するコンパクトな装置ができる．食違い軸歯車の場合もウオーム歯車と同様の内蔵型で,かつ心間距離（＝オフセット量）をある範囲で任意に設定できる。 磁気歯車は完全非接触による動力伝達であるため振動や騒音がなくタメンテナンスフリーの特徴を併せもつなど，実用化には多くの期待が寄せられている。 最近は風力発電用増連装置として磁気式遊星·差動歯車装置の試作に成功した。 隔壁動力伝達の利点をいかして高速真空装置への適用も検討している．