大面積パルス電子ビーム照射によるチタン合金製生体部品の高能率表面仕上げ

摘要

生体材料は，人工骨，人工関節や骨折固定用プレート等の生体硬範織代替材料製品だけでなく，手術用器具や歯科治療用具等も含め，ヒトの細胞に接触して用いられる治療用材料と定義されており，それらは一般に複雑な3次元形状をしている場合が多い．そして従来より5軸加工機による削り出しやロストワックス法によって形状加工された後，人手による手磨き表面仕上げが行われている．例えば，チタン合金製骨折用固定プレートの製造工程においてはエンドミルによる形状加工後，まず約30分の粗手磨き，次に30分のバレル研磨，その後60分のコーンバレル研磨，そして最後に10～20分の仕上げ手磨きという工程よなっており，合計で約2時間半もの時間を要する．これらの工程での表面粗さはエンドミル加工後においては10μmRz，手磨き最終仕上げ後には1μmRz以下の表面粗さにまで仕上げられる．