半開放形プロペラファンにおける翼端渦の挙動

摘要

半開放形プロペラファンでは翼先端前縁において翼端渦が形成されるが、前縁はシュラウドで覆われていないため通常の軸流ファンで形成される翼端漏れ渦とはその性質は異なる。これまでの研究では主に翼端渦について調べられてきており、翼端渦が性能および空力騒音に大きな影響を及ぼすことが明らかにされてきている。翼端渦を積極的に制御することができれば、大幅な性能の向上が期待される。翼端渦の制御を効果的に行うためには、その流れの性質の本質的な理解が必要不可欠である。しかしながら、翼端渦の三次元流れ構造については未だ十分な理解は得られていない。ここでは、DES（Detached Eddy Simulation）解析を実施することによって、翼端渦の軌跡、翼端渦まわりの圧力分布、渦核の循環量など、詳細に翼端渦の挙動について解析した研究成果を解説する。