非接触ドライ·ガス軸シールの技術展望と課題

摘要

非接触でガスを直接シールするドライ·ガス軸シール（以下、「ドライ·ガスシール」）は1968年に米国で発明されて以来、遠心圧縮機の軸シールを中心に1980年代後半から急速に適用が世界的に増え、現在では遠心圧縮機の軸シールの標準方式となった。遠心圧縮機の軸シールとして、旧来のシールオイルを使った軸シール装置に代わるものとして開発されて以来40年、本格的に遠心ガス圧縮機を中心に各種のガスを取り扱う回転機器の市場に受け入れられるようになり、API617規格ではじめて遠心圧縮機の軸シールのひとつとして認知されてから20年経った。 その間、ドライ·ガスシールの適用が急速に増えると共に、適用範囲も広くなり、極めて多方面の用途で使用されるようになった。 ドライ·ガスシールの適用がより広くなるに伴い、圧力や温度などの運転負荷条件も広範囲となり、サイズの大型化もあり、次々と実績を塗り替えてきた。 一方で、広範な用途で、よりいっそうの信頼性向上や、より長期間のメンテナンス·フリーを期待されるなかで、最近の動向と展望について述べる。