植物性異物混入時における二重反転形小型ハイドロタービンの内部流れ

摘要

これまでに、徳島県内において小水力発電が実施可能な箇所を選定し、各選定箇所における落差·流量·水質·設備利用率などについて実地調査を行った。その結果、配管整備されている農業用水路や簡易水道などにおいてはピコ水力を設置できる箇所が多数存在し、これまでにない小規模な水力発電を開発することにより、未利用小水力資源を有効活用できる可能性があることが示された。また、実地調査結果よりピコ水力発電では流量の変化が大きいため、広い流量範囲においても発電ができる小型ハイドロタービンを開発する必要があることがわかった。これまでに数値流れ解析により本供試小型ハイドロタービンの性能を調査し、ピコ水力発電への本供試ハイドロタービン適用の妥当性を確認した。そこで、実験装置を設計·製作し、性能特性および内部流れを調査した。本報では、実験より得られた本供試小型ハイドロタービンの性能曲線を示すと共に、小型ハイドロタービンの異物通過性試験として、草などの植物性異物混入時における可視化実験結果を提示し、植物性異物混入時における羽根間流路閉塞の原因を検討する。