《特集：蒸気タービンの性能設計技術》：発電所でのソリッド·パーティクル·エロージョン

摘要

ソリッド·パーティクル·エロージョン（Solid particle Erosion、以下SPE）とは固体粒子が流体の流れに乗って設備内に流入し、装置を侵食する現象を言う。 ここでは火力発電設備のボイラやタービンの蒸気管内面に高温水蒸気酸化によって生成した酸化スケールが何らかの原因によって剥離し、その剥離したスケール粒子の流入、衝突によりタービン本体や主要弁を減耗させる現象に限定することにする。 この減耗による熱効率低下は設計者の努力が無駄になるばかりではなく、ユーザーにとっても大きな負担となっている。 この稿では固体粒子の元である水蒸気酸化スケールの形態、剥離のメカニズム、発電設備への影響、現在取られている対策について述べることにする。