化粧品の感覚刺激性評価に有用な in vitro 評価法の検討

摘要

敏感肌意識を有する方の割合は増加傾向にあり、日本人女性では 80％を超え るとの報告もある。敏感肌意識者の多くは化粧品使用時にピリピリ·チクチク といった感覚刺激を経験しており、化粧品の感覚刺激低減化は重要な課題となっ ている。これまでに有用な感覚刺激評価手法と して、ヒトではステインギング試験や使用試験が、in vitroではTRP受容体の活性化能測定法などが用いられてき た。しかし、ヒト試験は定量性が高くない、感受性が変動しやすい、大量の検体 を同時に評価できないといった課題が、in vitroではTRP受容体の活性化能測定法において難水溶性物質の評価が困難であるといった課題がある。そこで我々は既存評価法の課題を克服する方法として三次元培養表皮モデルを用いた手法を検討した。今回は化粧品に汎用される防腐剤パラベンの感覚刺激について検討した内容を報告する。