次亜リン酸HP（OH）_2，亜リン酸P（OH）_3，亜ヒ酸As（OH）_3を錯体として単離

摘要

無機の酸素酸は非常に多く知られているが，純粋に単離できるものはかなり限られている。 リンの酸素酸に関しては，酸化数Ⅰはホスフィン酸H_2P（O）（OH）として，また酸化数Ⅲはホスホン酸HP（O）（OH）_2として存在し（いずれもリンは四配位を取っている），それらの異性体である次亜リン酸HP（OH）_2，亜リン酸P（OH）_3の形（いずれもリンは三配位）では単離できない。 この今まで未知であった次亜リン酸HP（OH）_2，亜リン酸P（OH）_3の形が，錯体とすることで初めて単離された（図）。さらに，同族のヒ素の酸化数Ⅲの酸素酸，亜ヒ酸As（OH）_3は水溶液でのみ存在し単離不可能であるが，同様に錯体として初めて単離された。