色の基本色成分表示に基づく等歩度色空間の構成（理論）

摘要

配色や色彩調和など複数の色の関係を扱うとき，NCSやOstwald系のように色立体の断面として色三角形をもち，同一色調（トーン）が同一位置に来る色空間が便利である．ところが，これらの色空間は色相の等歩度性が成り立たないこと，および純色として最明色を採用しており実際の鮮やかな色の色3角形上の位置がまちまちであることなど，不便な点もある．一方，MunasellやPCCS系は，色相の等歩度性はある程度確保されるものの，トーンの扱いに難点がある．筆者の目的は，これらの難点を解消する等歩度色空間を，単純ないくつかの仮定から出発し数学的に構成することである．