サスペンションレオロジーモデルの最近の進歩—凝集性を考慮した球形微粒子分散系のレオロジーモデル—

摘要

固液分散スラリー系·エマルジョン系のレオロジー特性を把握することは分散系の取り扱い上，重要な課題である．レオロジー特性については非ニュートン粘度，降伏値，塑性粘度，粘弾性など種々の物性値が考えられているが，化学工業におけるスラリーの取り扱いにおいて最も重要な特性値は非ニュートン粘度である．スラリーの非ニュートン粘度が正確に予測できれば工業装置の設計，運転に大きく寄与すると考えられる．しかしながら，固液分散スラリーの非ニュートン粘度はその粒径分布·固体体積分率·固体表面特性·媒体との相互作用などによって大きく変化する．本稿ではスラリーの非ニュートン粘度を予測する最近のモデルについて紹介する．