再生可能エネルギー政策の評価と課題－再生可能エネルギー固定価格買取制度の改定をふまえて－

摘要

福島第一原子力発電所事故は，深刻な被害をも たらした．それをふまえて，2014年4月に閣議 決定された現行のエネルギー基本計画は，「震災 前に措いていたエネルギー戦略は白紙から見直し， 原発依存度を可能な限り低減する．ここが，エネ ルギー政策を再構築するための出発点である」と する．事故ほまた，電力供給体制の脆弱性も露 呈し，広域的な系統運用に課題があること，そし て，地域分散型エネルギーシステムの有効性も認 識させた．原発の停止の結果，化石燃料依存が一 層高まった．日本のエネルギーミックスにおける 原子力の位置づけについて意見は分かれるにして も，一次エネルギーベースでも，また発電の90％を海外から輸入する化石燃料に依存する現状 は，エネルギー安全保障，温暖化対策，燃料費負 担のいずれの観点からも持続可能ではない．