1962年の創設以来，2,184人を業界に輩出「ゴム技術者は業界の手で育てる」信念に

摘要

かつて高度成長期に日本のゴム工業も発展の途をたどりゴム企業も多くの大学新卒者を必要としたが，東京はともかく関西地域では人材不足が表面化した。モータリゼーションをはじめ家電，インフラの急速な普及にともない幅広い産業に不可欠で，さらに次元の高い安全性や機能性が求められる中でゴムの研究者·技術者の育成が急務となった。そんな時代背景に大阪ゴム工業会会員の一部事業主と日本ゴム協会関西支部の役員とで「ゴム技術者は我々ゴム業界の手で育てよう」という機運が高まり，日本ゴム協会関西支部の併設事業として，現在の関西ゴム技術研修所の前身である「大阪ゴム技術研修所」が創設された。今年も9月3日に第54期入学式が挙行され43人が入学した。関西ゴム技術研修所の歴史と意義など山口幸一所長（元日本ゴム協会会長）に聞いた。