世界経済の成長メカニズムと不均衡問題

摘要

1990年代後半以降の世界経済の成長は、世界のGDPの約3割を占める米国の内需主導型の成長がアジア等からの輸出や資金を呼び込み、これが更なる米国の経済成長の原資となってけん引されてきた。 その過程で、米国において財政赤字と経済収支赤字といういわゆる「双子の赤字」が拡大してきており、今後の経済成長の持続可能性への懸念が指摘されている（図1）。 今後「双子の赤字」の拡大が米国国内の金利上昇をもたらすことになれば、金利支払いの負担の増加や財政体質悪化に伴う信用収縮、ドルの急落等を通じて世界経済に悪影響を及ぼす懸念がある。