兵庫県南部地震/住宅営業設計士·K-〔下〕

摘要

A社の住宅営業設計士·Kさんは、もっぱら激震地の顧客との対応で忙殺されている。地震発生以来、毎日、遅くまで残業が続き、休日は取っていない。 地震発生の4年前、芦屋市の海岸沿いの造成地に住宅2棟を建てて売却した顧客を、Kさんは訪れた。 JR芦屋駅で下車、南に向かって1キロほど行くと潮見町。 地名が示す通り、海に面した埋立地である。 地形がすっかり変わってしまっている。道路はくねくね、電柱は倒れ、周辺のほとんどの家屋が傾斜。 しかも、液状化現象で、道路、敷地一帯が、地下から吹き出した泥でおおわれている。液状化現象はポートアイランドだけではなく、ここでも見られた。