基礎からわかる建築構造物の設計

摘要

本書の内容は、「基礎からわかる建築構造物の設計」のタイトル通り基礎知識を学ぶために最適な教科書といえよう。目次に見るように、構造設計の基礎、概要、設計用荷重·外力、各種の構造形式·構造種別、基礎構造、最も大切な構造計画に関する記述、各種の構造設計法、構造骨組の解析の概要などの基礎的部分から始まり、対象とする建築構造物の構造種別も鉄骨（S）構造、鉄筋コンクリート（RC）構造、壁式鉄筋コンクリート（WRC）構造、鉄骨鉄筋コンクリート（SRC）構造、コンクリート充填鋼管（CFT）構造、木構造などほとんどすべての構造についての記述が丁寧に行われる。 構造形式もほとんど各種の構造形式（ラーメン構造、軸組構造、トラス構造、張弦梁構造など）が扱われている。 すなわち、本書で扱われている構造種別、構造形式は極めて多岐にわたり、ほとんどそのすべてを網羅しているといってよい。 各章それぞれにおいて基礎的で、一見、解析が平易にも見えるかも知れないが、適切な解析モデルを用いながら必要、不可欠な構造知識を得るための記述、解説がなされている。 これら各章で記述、説明、解説がなされている内容は、そのまま読めば基礎的な構造知識を得るためかのようにも見える。 しかし、よりじっくり、その気になって内容を熟慮、含味し勉強すれば、より高度の知識を得るためにも本書一冊だけで十分足りることも記述、示唆されている。