製紙産業の技術開発史:察倫から近代製紙産業の誕生前夜まで第3回イスラム地域の製紙技術とヨーロツパへの伝播

摘要

第2章の中国での製紙技術が，東の日本へ伝わり独自の発展をしたことを第3章で紹介した。では，西へは如何に広がって行ったのであろうか。第4章でイスラム世界，次回の第5章でヨーロッパでの様子を紹介する。なお，都市名はアルファベット表記とした。羊皮紙及びパピルスについては，前後の文脈によりparchment及びpapyrusも用いた。