法人化元年に思う

摘要

国立大学は，間もなく法人化の初年度を迎えようとしている。 これを千載山一過の改革の機会と捉えることが当初から重要視され，大学数員も多かれ少なかれその問題に関わってこられたことと思う。 筆者もその例外ではなく，大学改革の一助になればと念願しつつ，多くの時間を割いてきた。 例えば，内外の大学教育の実体を正確に把接する必要が生まれ，実地見学とインターネットを駆使した調査に加わった。その結果いくつかの意義深い情報に出会うことになった。例えば，スタンフォード大学化学科の新入生は，入学直後の第1クォーター（3カ月）では4科目を履修すること，1クオーター当たり3－4科目のペースは学年が変わっても卒業まで墜持されること，卒業研究は課せられていないこと，4年間で学習する全科目数は，45剛46が標準であること，等である。日本では一般的なセメスター制の米国の大学でも，卒業まで（全8セメスター）に学習する科巨1数は同様で，従って1セメスター当たりでは5－6科目となる。