農作業の負担軽減に向けた人間工学の活用

摘要

農業や漁業などの一次産業では，高齢化が 進行しており，体力的な理由等によ．る引退·廃業の増加と後継者不足が相まって，担い手 の減少が続いている。 農作業の多くはすでに機械化されている が，作物の生育状況に応じた選択的な作業や， 傷つきやすい不定形なものを扱う作業は，機 械化が容易でないことから，人手で行わざる をえない。たとえばキャベツなど葉物重量野 菜の収穫作業は，つらい前屈姿勢を長時間取り続けるなかで重い野菜を取り扱うため，身体への負担が大きく，健康維持の観点からも問題が多い。