アルミニウム合金の溶接と接合 第3回 AL合金A6N01と難燃性Mg合金AZX611の摩擦攪拌接合

摘要

摩擦撹拌接合は被接合材を融点以下の温度で接合する固相接合法であるが，接合に必要なエネルギーはツールと被接合材の摩擦によって与えられるエネルギーとツールが移動することによって生じる被接合材の塑性流動による内部摩擦によって与えられる。接合中の発熱量を直接計測することはできないが，ツールの温度上昇および被接合材の温度上昇を同時に計測することによって求めることは可能である。従来の研究では被接合材の温度上昇を計測することが主流であったが，最近接合中のツールの温度上昇をリアルタイムで計測することが可能になったので，本稿では構造用アルミニウム合金や難燃性マグネシウム合金を摩擦撹拌接合する際の接合中のツールの温度上昇について検討を行った結果について報告する。接合中のツールの温度上昇を知ることはインラインのプロセス制御に欠かせない知識であり，とくに異種金属材料の摩擦撹拌接合には必須項目である。本実験では供試材料として構造用アルミニウム合金A6N01および次世代の高速鉄道車両用材料として検討されている難燃性マグネシウム合金AZX611とした。