板金加工的ものづくり手法による中·厚板金属製品の製作

摘要

従来，溶接を利用するものづくりでは，①ガスやプラズマ，レーザなどの方法で個々の部材に切断，②それぞれに切断された部材の必要箇所に機械加工や穴あけ加工などを行い，製品部材に仕上げる，③仕上げられた製品部材を組み立て，溶接して製品化する，といった手法でものづくりが行われている。ただ，こうしたものづくりの手法では，①製品化に到るまでの工程数が多くなる，②組み付け時の誤差や溶接ひずみの発生で製品寸法が悪くなる，③溶接の長さに対応する溶接部の品質確保のための検査などが必要となる，などの問題が発生する。そこで，㈱アマダでは，こうした問題の解消に3次元CADを利用した製品部材のバラシや，同じCADデータを直接加工に利用できる加工機械，加工方法を開発，薄板の板金加工分野での高精度，高品質，高能率のものづくりを提供してきています。さらに近年では，CAD機能を拡充し，加工機械も大出力化することにより，こうした板金加工的ものづくり手法を中·厚板金属製品の製作に利用するトライアルも進められている。本稿では，こうしたものづくり手法について紹介する。