溶接材料の使い方·選び方 第2回 ソリッドワイヤとフラックス入りワイヤの使い方·選び方

摘要

産業分野別の溶接材料の使用比率（図1）を見ると，造船や橋梁分野では，フラックス入りワイヤの使用比率が高く，建築，輸送機（自動車など）の分野では，ソリッドワイヤの比率が高いなど，使用されている溶接材料（方法）は，産業により大きく異なります。これらは，主に溶接作業性や得られる溶接金属の機械的性質（引張強さ，じん性など）の特長から，もっとも能率の高い溶接方法を選択されていると考えられます。溶着金属の機械的性質に従った溶接ワイヤの選び方については，軟鋼，高張力鋼及び低温用鋼ではJIS Z3312 及びJIS Z3313を，耐候性鋼ではJIS Z3315及びJIS Z3320 を参照することで選択する事ができますので，本稿では，溶接作業性面からの使い方·選び方を中心に解説します。