AGC（旭硝子）グループの機械安全の取り組みと化学プロセスへの展開

摘要

AGCグループは，ガラス製造を技術のコアテクノロジーとし，1907年の操業以来，板ガラスの製造とその原料のソーダ灰の生産にはじまる化学品の製造，溶解窯の技術に端を発するセラミックス等に事業を拡大してきた。従来，ガラスの製造は建築用，自動車用の窓ガラス，およびテレビ用では所謂ブラウン管用ガラス（CRT）を製造し，近年はフラットパネル型テレビ用等極薄の電子産業用ガラスや，高機能のフッ素化学品の製造等に軸足を移しつつあるが，依然として重厚長大型の素材産業であることには変わりない。ガラス製造ではその溶解で1,600℃以上の高温を要し，冷却の工程では1,000kWもの強力なブロワーで強風を吹き付けるため，騒音が大きく，化学品のプロセスでは塩素·フツ酸等の毒劇物を取り扱うなど，その製造工程の中にはさまざまなリスクが存在している。