産業トレンド－統計に見る日本の溶接産業－最近10年の動きを中心に

摘要

わが国製造業の産業構造について変化が見られ始めた。 大手製造業の海外設備投資の比率が2002年をピークに，それまでの上昇が止まった。 産業別にみると，この海外設備投資の比率が低下している代表的な部門は，精密機械，電気機械，化学，自動車部品の4部門である。 これらの部門で国内投資を増強している製品はデジタル家電とか，それに使う装置と素材，そして自動車の軽量化技術などで，いわゆる「製品の高度化」がキーワードになってきている。 このように，日本製品の高度化のスピードは加速度をつけて進んできている。 それはわが国製造業の意識的な改革による競争力の復活を目指したもので，今，わが国製造業は高度化された製品をより多ぐつくり，製品の売上げ構成を一気に高精度化された製品の方へシフトしていくために，保有している設備·機械を猛烈なスピードで切り替えてきている。 そうして新しい設備を導入し，一気に若返らせているのが日本の製造業の現状となってきている。