ねじの降伏点締付けに関する研究（軸力勾配法の提案と試験機の開発）

摘要

機械構造物のねじ締結において，使用されるボルト·ナットにより適正な締付け力を与えることは重要であるが，それを決定することは容易ではない。 近年，ねじの締結方式において，従来の弾性域締付け方式と共に塑性域締付け方式が注目され多くの研究が行われている。 塑性域締付け方式とは，締付けによって生じるボルトの等価応力がボルトの降伏点を超えるまで初期締付け力を与える締結方式である。 即ち，この締付け方式では，強度的な使用効率は弾性域締付け方式よりも高く，使用ボルトのサイズダウンや本数の削減が期待できる。 また，設定締付け力である初期締付け力のばらつきの低減，耐ゆるみ性，耐疲労性の向上などの設計上の信頼性を高めることが出来る。