フィリピン·Ports Authority向けVessel Traffic Management System

摘要

フィリピンは，7,000以上の島々から構成される国家という特徴から，その経済活動や社会生活は海上輸送に大きく依存している。 また，フィリピン近海は，マラッカ海峡を経由し欧州·中近東と，日本を含む北東アジア地域を結ぶ主要航路上の中間に位置し，東アジア地域の国際貨物船の多くが航行する世界有数の輻輳海域となっている。 とりわけマニラ港は，フィリピン首都に近接する主要港であり，国際，国内航路の要となっている。 近年，特に増加するマニラ港に入出港する船舶の航行の安全，効率化をめざしVTMS (Vessel Traffic Management System)が導入された。本システムは，レーダーとAIS基地局を主なセンサーとしてマニラ湾の海域状況を捉えカメラ装置，VHF-DF (VHF Direction Finder)などの情報を統合処理し，レーダー画面上で一元管理をおこない船舶の航行安全，港設備の効率運用に有効な情報を提供する。また，港湾内の作業船（タグボート，パイロットボートなど）の運行状況の把握，バース使用状況，船舶の詳細情報等を登録可能なデータベースとも統合処理され，港湾管理に必要な情報も管理者に提供する。