LPガス国際市場一気に下落玉·フレート急騰の反動表面化

摘要

サウジアラムコ社は31日，わが国の輸入関係各社に対して8月のLPガスCPをプロパン780ドル，ブタン800ドル／トンとした旨，通知してきた。前月に比べてプロパン，ブタンともに40ドルの下げとなった。7月CPでは「P安·B高」，8月前半市場では「P高·B安」へと転換していたが，後半にはブタン買いが入り，市況は「P安·B高」に再び転換。これが8月CPにも反映された。7月の中東市場は総じて需給緩和傾向を辿った。スポットフレートが再び140ドル台へと急騰するなど超高値圏となっているため，トレーダーもエンドユーザーも産ガス国のスポット販売に対応できない。船を曳けないのだ。それじゃあといって産ガス国がCFRの売りに切り換えても，これがまた高い。「買えない，売れない」で需給緩和だ。LPガスの玉そのものの市況が下げる。だが，フレートが下がらないことには買えない。成約のない中東市場に代わって米国がLPガスを売りまくっている。5月，6月に続いて7月の輸出量も130万トンに達しただろう。東海岸や西海岸も加えると135万トンを超えたか。2013年には900万トンの輸出国になった米国だが，2014年には1,200～1,300万トンとなりそうだ。この2年ほど「LPガス三大輸出国はカタール，アブダビ，米国で1,000万トンずつ」と書いてきたが，改めなければならない。「米国1,300万トン，カタール，アブダビ1,000万トン」と。しかし，2020年には「米国3,000万トン，アブダビ1,000万トン，カタール800万トン」と。サウジに至っては600万トンだ。まずは8月CP値決めの背景となった7月国際市場動向を簡単にみておく。