在庫評価損とマージン悪化で大幅減益適期見通し，JXHDと出光上方修正

摘要

元売3社（JXホールディングス，出光興産，コスモ石油）の平成25年3月期の第2·四半期（4～9月，中間期）連結決算がまとまった。4～6月期の原油価格続落の影智で在庫評価損が発生，石油製品マージンも悪化したが，7～9月期では原油価格が回復して在庫影響が好転。値上げも進展しマージン回復を果たしたため，第1四半期で最終赤字だったJXHDと出光は黒字を回復，アスファルト漏えい事故による千葉製油所停止が長引いたコスモは，マージンは改善したものの，最終赤字は791億円まで膨らんだ。3社計の連結業績は，売上高8兆6，907億円で前年同期比1．0％増，営業利益は466億円で同84．3％減，経常利益は818億円で同76．1％減，中間純利益は▲499億円で同2，222億円の減益となった。25年3月期の通期業績予想は，原油価格前提を大きく引き上げたJXHDと出光が8月の前回公表から利益予想を上方修正したが，在庫影響除きではJXHDが石油開発の利益増で前回公表と同額，出光も小幅減額にとどまるのに対し，コスモは千葉製油所停止に伴う経費増と輸出機会の損失，マージン悪化見通し等で560億円の下方修正となっている。元売の製品粗利は，10月以降仕切が小幅下落を繰り返す中で圧縮され，特に11月に入って，陸上スポットと原油CIFのスプレッドが7～10円まで縮小。マージンは再び悪化に転じているほか，景気·原油動向次第では下期も在庫評価損が発生する可能性があり，予断を許さない状況となっている。