SSの今後に重くのしかかるガソリンマージン減少への不安

摘要

資源エネルギー庁は先頃，日本エネルギー経済研究所石油情報センターに委託調査していた平成16年度の「給油所経営·構造改善等実態調査」の結果を集計し報告書にとりまとめた。平成8年3月の特石法廃止，10年4月のセルフSS解禁により，SSを巡る競争集件は厳しさを増し，SS数は毎年1千カ所以上の減少が続いており，現時点ではこれに歯止めがかかる兆しはみえない。 セルフSSはといえば，増加傾向は鈍化してきたものの依然として増え続けており，16年12月末には4千カ所を突破。 こうした環境が続く中で，サービスの向上や経営の多角化など，SS経営にはこれまで以上の努力と創意工夫が求められている。 セルフが定着しつつある現在，「値段」で勝負するには限度がある一般SSにとって，生き残りの選択肢はそれ以外の要素にみつけるしかない。 原油価格の連続高騰で燃料油の値上がりが続き，消費者の目がより「安さ」に向きがちな昨今，いかにして客離れを食い止め，適正収益を確保するかは大きな課題だ。 石油情報センターでは同調査のとりまとめに当たり，楕販関係者や学識経験者等から成る「給油所経営実態調査検討委兵舎」を部内に設置し，関係方面の意見を反映しより役立つ内容とすべく見直しを行ってきた。保有設備などSSの事実的な側面だけでなく，経営実態や経営効率化·多角化の取り組み状況等多様な項目を調査した今回は，SSの置かれている現状がかなり明らかになったといえる。 そのひとつ，今後のSS運営を左右する要因として上位を占めた回答は，「ガソリンマージンの減少」「セルフの増加」「安売業者による採算無視の安値攻勢」など。年々厳しくなる競争を肌身で感じているのか，「マージン減少」への危機感はSSの大小，運営形態を問わず群を抜いて多い。 以下，調査の内容を項目に沿って紹介する。