発電量は一気に過去最高へ盛り返す設備利用率は54基平均79％へ回復

摘要

今年度の原子力発電圭は3,000億kWhの大台には乗りそうにない。 発電所の設備利用率も70％の一歩手前で止まりそうだ。 細かなトラブルが後を絶たず，通常の定期検査も予定より延びるケースが増えているためだ。 発電量を試算すると，浜岡5号と東通1号の試運転を含め，全国では2,826億kWhとなる。 前年度に比べると17.8％も増える。 前年度の実績が落ち込んでいたためで，平成9年度から13年度までの5年間は，毎年3,000億kWhを超えていた。 設備利用率は今年1月18日に営業運転を開始した浜岡5号を含めた53基·4,712.2万kwの平均が68.9％と試算される。 前年度から9ポイントも上昇するが，前年度は昭和54年度以来，24年ぶりという50％台へ急落していた。 平成7年度から13年度までの7年間は80％を超えていた。 今年度の原発は期待を大きく裏切った格好だ。 東電再開の遅れは来年度にも引き継がれる可能性はあるものの，来年度は今年度を上回る実績を残すと期待したい。 今年10月に営業運転を始める棄通1号の新規参入効果も底上げ要因になる。来年度のプラント別定検計画は徐々に固まりつつあるが，いまだに確定していないものもあり，依然として不確かな部分が残っている。 しかし，暫定的な各社の計画と記者の推測で試算した最大限の水準は，発電量が全国合計3,333億kWhとなり，3,000億kWhの大台はもとより過去最高へ盛り返す。 設備利用率は54基·4,822.2万kw平均で79.1％となり，一気に80％に近づく。