原油市況，70～75ドル／バーレル圏内で推移定修明けの石油製品市況に下げ圧力

摘要

ドバイ原油市況は6月以降，不安定な世界経済を背景におよそ70～75ドル／バーレルのレンジで上げ下げを繰り返しており，6月上旬には71ドル／バーレル台に下げたが，下旬には一時77ドル／バーレル台まで上げ，その後は7月に入って再び70ドル／バーレル強に下げた。国内では6月のローリースポット市況が，実需薄の中で製油所定修ピークとなった元売が出し渋る中，油槽所Xパイプはおよそ灯油が56円／l台，軽油が58円／l前後，A重油が57円／点前後で推移した。6月末からは上げ基調で，製油所定修期をほぼ終えた7月中旬からは原油下落を映して約2円／lもの反落となってきた。6月の石油製品市況は5月後半から6月にかけてのスポット安と仕切連続値下がりを受けて軟化が進んだ。SS店頭価格を石油情報センターの週動向調査全国平均でみると，レギュラーガソリン価格は5月末の139.3円／lが6月28日には136.5円／lに下げ，7月入り後もジリ安で推移している。産燃油市場では，需要家納め大口価格が5月末からの値決め分で値下がりに転じた。需要家によってタイムラグはあるが，おおよそで5月需要家納め価格が62円／l前後まで大幅値上がりとなっていたが，6月分から4～5円／l値下がりして58円／l前後となり，7月分でも前半値決め分が2円／lほど下げて決定しているようだ。不安定な動きが続く原油市況に加えて為替レートも与党の参院選大敗後に円安となってきた。値下げには慎重に臨みたいところだ。