「系列販売」への否定的意見増える＝20年度給油所経営·構造改善等実態調査報告書から＝

摘要

資源エネルギー庁はこのほど平成20年度の「給油所経営·構造改善等実態調査」報告書を発表した（石油情報センターの受託事業）。全国全給油所の経営者や給油所マネージャーに対するアンケート調査の集計分析結果を中心に，給油所経営者へのヒアリング，給油所設備など関連業界ヒアリングなどの結果を総合してとりまとめたもの。給油所経営の現状と変化の実態を明らかにする目的で毎年行われている。調査の実施時期は昨年11～12月。今回の調査では特に，給油所経営者の経営構造改善の具体甲奴組みに重点を置いて調査を実施したほか，昨年10月に一部元売で導入された石油製品卸価格の新決定方式（市場連動過決め制）や系列販売の評価についても聞いた。それによると，「系列販売が必要」との意見は9年前より13ポイント低下し61％となる一方，「系列外仕入れを経験した」経営者の割合はこの10年で20ポイント以上増加して54％に達するなど，系列販売の弱体化と元売と販売業者の関係変化が明らかになった。給油所経営者から元売への意見·要望でも「業転との価格差是正」や「仕切価格の透明性確保」を求める声が圧倒的に多く，仕切価格の不公平感が限界まで高まっていることがわかった。こうした中，その解決策として導入された新仕切方式については，移行後間もないことから，透明性や公平性が向上したとする回答は少なかったが，今後への期待感も含め肯定的評価が多数を占めた。以下，同報告書の調査概要を紹介する。