今夏もガソリン市況は最高値更新9月コスト急落，下げ過ぎ防止課題

摘要

春から上昇が続いた原油市況は，ドバイ原油東京市況の終借が7月20日に71.3ドル／バーレルと今年の最高値をつけ，7月月間平均値も69.55ドル／バーレルとなって昨年8月平均の68.90ドル／バーレルを上回り月間の史上最高値を更新した。 これを受けた元売各社の8月仕切改定は，前月までの取り残しを加えた元売も多数あって前月比（＋）2．0～5．3円／lの大幅な値上げとなった。 3月から6カ月連続の仕切値上げとなったわけだが，販売業界はひるむことなく書き入れ時のお盆商戦を前に全国のSSで積極的な末端転嫁に挑戦し，（＋）4～5円／lもの大幅な値上げが達成された。 石油情報センターの毎月10日現在の調査結果によると，全国平均は消費税込みでレギュラーガソリンが146円／lとなっており，前月比（＋）5円／lの値上がり。 昨年8～9月にかけて記録した144円／lを上回り，1987年の調査開始以来の最高値となった。 原油市況は8月に入って下げ局面となっていたが，販売業界は3～7月の間に嵩んでいた取り残しがあったことで，市況は上旬一杯上昇を続けて一応悲願の値上げ達成。 しかし，月遅れお盆期間中に進んだ患わぬ円高進行等で，その後は急速に先安感が台頭しており，早くも9月をいかに下げ止めるかが課題となっている。