「ISO50001」～エネルギー管理に関する新しい国際規格の概要と企業への影響～

摘要

わが国では二回の石油危機以降,比較的早い段階で省エネルギーによるエネルギー利用の効率化を推進してきましたが,世界的には省エネルギーに対する意識は決して高くありませんでした。しかしながら,21世紀に入り国際市場での原油等エネルギー資源価格の高騰や化石資源の大量消費を要因とする気候変動問題の顕在化に伴って,世界的にもようやくエネルギー関連活動の管理による省エネルギー推進,エネルギーコスト削減,環境関係の社会的要請への対応を進める機運が高まってきました。しかし各国又は各企業·組織で独自の管理システムを構築·実践が進められた結果,相互融通が困難となり,国内外での規格化による効率的な運用や省エネルギー関連ビジネスの展開支援という観点からも国際規格化の必要性が認識されてきました。これらを背景に,2007年に米国及びブラジルが共同でISO（国際標準化機構：InternationalOrganizationfor Standardization）にエネルギーマネジメントシステム（Energy Management System：以下「EnMS」）の国際規格開発が提案ざれたものでず。