出鉄滓速度および残銑滓量におよぼす炉下部構造の影響

摘要

炉床部の非定常3次元流動解析数学モデルを用い、複数回タップを繰り返した彼の擬定常状態における残銑滓量および出銑滓浮量におよぼす充填コークス粒径の影響について調査した。また、炉内圧変動を反映した出銑滓速度を推定するモデルに関する検討を行い、以下の知見を得た。 （1）本モデルによる計算結果は、溶銑とスラグトータルの排出速度に関しては実測値と良く一致した。 また溶銑·スラグそれぞれの排出速度に関しても、細部は異なるが実測値と同様の傾向を示した。 （2）コークス粒径の低下と共に、残銑量は減少し残滓量は増加、出銑滓時間は長時間側へ移行、また同時に最大スラグ液面高さも上昇する。 （3）出鉄滓速度は出銃口直径の増加に伴い2次関数的に増加する。 出銃口深度が3.0m以上の領域では出銑口深度の変化が出鉄滓速度におよぼす影響は小さいが、1m程度の領域では急激に大きくなる。 また表面粗度の影響は比較的軽微である。