離散粒子シミュレーション（実用性と課題）

摘要

個々の粒子の運動追跡から全体を予測する離散粒子計算法は，最近ではかなり知られるようになった．年々すすむ計算機の高性能化によって計算結果が徐々に現実の問題に近づきつつある．単純を場合が計算できることがわかると，多くの研究者，技術者は粉粒体現象を複雑にしている種々の要因を考慮する計算に興味を持ち，すでに種々の結果が報告されている．しかし離散粒子シミュレーションの実鞘性が広く認められるようになるには，まだまだ多くのハードルを越えをければならをいのも事実である．筆者はこの10年間，方々で講演する機会を得たが，最後の質疑応答でよく出る質問が粒子数，粒子形状，付着力の問題である．最近では伝熱や反応をどう取り込めばいいかという質問にもよく出くわす．そこでこれらの問題について以下に述べる．