新規固体塩基触媒としてのシリコンイミドナトライド

摘要

固体塩基物質としてはアルカリ土類や希土類の酸化物など種々知られている。 しかし概して細孔構造が貧弱であり比表面積が小さいものが多く，固体触媒として要求される物性を満たすものは少ない。このため，触媒として使用しうるポーラスな高比表面積の固体塩基物質の開発が期待されるところである。 　 最近，S.Kaskellらはユニークな固体塩基について報告しているので紹介する。 従来，固体塩基物質は酸化物或いは水酸化物が多いが9　 彼らは窒化物でメソポーラスの細孔構造をとり比表面積の大きな固体塩基物質を開発した。 その物質はSilicon imidonitride（SiN_x（NH）_y，SINと略す）であり,次のようにして調製される。