近赤外蛍光と可視光の同時撮影が可能なカラーイメージング装置の問発

摘要

研究の種やきつかけはどこに転がっているかわからない。筆者は、バイオニック医療技術の開発の一環として迷走神経の電気刺激による心不全治療法を開発している途上で、迷走神経末端から放出されるアセチルコリンが心臓における血管新生を促進する可能性を見出した。その後、さらに研究を進める上で、マウスの心臓の血管を生体位（in situ）で可視化する技術が必要になった。しかし、実験室にX線血管造影装置を設置することは設備条件的に不可能であった。そこで、放射線防護などの特殊設備を必要としない血管·血流可視化技術を探索し、眼科臨床で用いられているインドシアニングリーン（以下ICG）を用いた近赤外蛍光眼底血管造影技術に着目した。近赤外光に高感度なCCDカメラモジュール、光学フィルタ、励起光源を部材レベルから調達し、自作したが、まさにその最中に本技術が「癌や血管の外科手術」に役立つことがわかり、専門外の本題のような開発研究へと進むことになった。