一般診療の場での無症候性HCVキャリアと既感染HCV抗体陽性者との鑑別

摘要

我が国の肝細胞癌による死亡者数は,近年増加の一途をたどっており,また肝細胞癌の80%以上がC型肝炎ウイルス(HCV)持続感染に起因することが明らかになっている.これらの背景から平成14年4月より,老人保健事業による住民健康診査に肝炎ウイルス(HBVとHCV)検診が全国規模で追加された.最初の1年間で40-70歳までの5歳刻みの節目検診と節目外検診受診者数を合わせると180万余人が受診し,HCV抗体陽性率は全国平均1.6%であったことが明らかにされている.